コンステレーション(USS Constellation 1854、その2)

USSコンステレーション(USS Constellation)は、修復期間を除いて、1955年から常にボルチモアのインナーハーバーのPier 1に係留されています。
このスループ艦(Sloop-of-War)は、1854年に建造されましたので、アメリカで海に浮かんでいる船としては、1797年に建造され今でもアメリカ海軍の現役艦であるUSSコンスティテューション、Mystic Seaportで保存されている1841年に建造された帆走捕鯨船チャールズ.W.モーガンに次いで3番目に古い船だそうです。

ところが実物に対面すると、外板も塗装も綺麗すぎて歴史を経てきた風格を感じません。コンステレーションは、1996年から1999年に掛けて行われた大規模な修復工事で、かなりの部分のフレーム、更に外板を70%ほどを新しく張り替えたそうです。公式WEBのレストアの歴史に詳しく記載がありますが、フレームどころかキール(竜骨)も曲がってしまっており、1994年に一般公開を中止していたのでした。
ちなみにフレームはLaminated White Oak(ホワイト・オークの積層材)、外板はLaminated Douglass Fir(米松の積層材)で修復したそうです。積層材というとなんか人工的な響きがしますが、実は無垢材より強度があるそうです。
コンステレーションの艦内に入ると、オーロップ(Orlop、最下甲板)だけではなく、ホールド(船倉)を見ることも出来ます。下の写真はこの船の建造当時の部材が多く残っているところだそうです。船倉には渡り廊下が設置されて見学が出来るようになっていました。バラストが殆ど撤去されているのも、やけに喫水が高い要因でしょうか。


この船は殆ど立ち入り禁止の場所がなく、どこでも自由に見れるし撮影できるので、時間に余裕があれば、いつまでも見学していたい気分になります。下の写真はガンデッキの先端部分で、バウスプリットの固定方法、アンカー・ケーブルが船体に格納される方法が良く判ります。

下の写真はガンデッキからグレーティング(格子)を見上げたところです。グレーティングは、模型のキットだと同じ形状の横板と縦板の組み合わせですが、本物の組み合わせは異なることが判ります。

USSコンステレーションの記事は、何回かに分けて書いてみます。帆船模型製作を意識した写真が多いので、意味不明のスナップもあると思いますが、18~19世紀のフリゲート艦或いはスループ艦を模型を製作する為の備忘録として、更に帆船模型を制作されている方(誰もこのブロクを見ていないと思いますが。。)の参照にして頂きたいと思います。
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