コンステレーション(USS Constellation 1854、その1)

USS Constellation (1)

以前の記事で紹介した中村庸夫著、保育社の「帆船 (1981年)」の有名保存帆船の項目の中に、「コンステレーション(アメリカ)、1794年、1960D/T、バルチモア(原文通り)」との記載があります。1794年は、Naval Act(海軍条例)が制定された年ですので誤植でしょうが、この本に掲載されている白黒の写真は、たしかに1797年にボルチモアで進水した38門搭載のフリゲート艦を彷彿される姿です。

実は、現存するUSSコンステレーションは、「1797年に建造されたフリゲート艦を1854年に改修してスループ艦としたのか」、或いは、「そもそも1854年にスループ艦として新規に建造されたのか」との長い論争があったそうです。最終的に、FBI(連邦捜査局!)の協力も得て、ボルチモアに係留されているこの船は、1854年に全く新しく建造されたスループ艦であるとの調査報告書が1991年に作成され、更に1996年~1999年の改修工事でこの事実が再確認されたそうです。

USS Constellation at Baltimore with Frigate Configration

上の写真は、改修前にボルチモアに係留されている姿(絵葉書)です。たしかに、この姿は、1797年建造のフリゲート艦の姿です。冒頭の写真と下の写真は、僕が絵葉書と同じ場所から2010年夏に撮影したスループ艦です。

USS Constellation (5)

何故、上記のような誤解が生じたかとの疑問に対し、次の理由が上げられています。

(1)1797年建造の初代は、1853年にバージニア州ノーフォークのゴスポート海軍工廠(Gosport Navy Yard)で解体された。同じ時期に2代目の建造が同じゴスポート海軍工廠で1853年6月25日に建造が開始された(進水は1854年8月26日)。従い、初代が大幅な改造を受けて2代目となったと考えるのは別に不自然ではない。

(2)アメリカ海軍艦船登録(Naval Vessel Register、NVR) に、USS Constitutionは、初代目の登録抹消、解体の記録は残っておらず、何故か同艦の登記も1797年の建造時から1955年の退役まで連続した内容となっていた。

USSコンステレーションは1855年の就役から100年間も現役艦として活動をした後、1955年に(初代のフリゲート艦が建造された)メリーランド州のボルチモアで保存されることになりました。更には、1963年には、「1797年に建造されたフリゲート艦」として、National Historic Landmark (通称NHL)に登録されたそうです。

更に、この船は1960年代にボルチモアで1797年の姿に改修され、1996年まで「38門搭載のフリゲート艦」の姿で展示されていたそうなので、中村庸夫さんが撮影した時は、無論18世紀末のフリゲート艦の姿であった筈です。

時間があるときに、調査報告書を読んでみたいと思いますが、帆船好き(?)だったルーズベルト大統領(Franklin D.Roosevelt)は、海軍次官(Assistant Secretary of the Navy)時代(1913~1920年)に、(実際は1854年に建造された)USSコンステレーションを1814年当時の姿に戻すように命令したり、大統領に就任してからは、1933年に一旦現役を退いていた同艦を1940年に再就役されるされるように命令したり(USSコンステレーションは、なんと1941年5月21日にはアメリカ大西洋艦隊の旗艦となっている)、とかなり深くこの艦に関与しているような印象を受けます。

前置きが長くなってしまいましたが、次の記事からは、今回の訪問時に大量に撮影したUSSコンステレーションの写真を中心に紹介していこうと思います。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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