Moshulu 1904 (At Penn's Landing、フィラデルフィア)

Moshulu (2)

この大型の4本マストのバーク型帆船は、現時点で洋上に浮かんでいる帆船として世界最大だそうです。

Moshuluは、全長396ft(121m)、全幅46.9ft(14.3m)と、1926年に建造された現役帆船のクルゼンシュテェルン(長376ft、全幅46ft)、更に、ニューヨークに係留されている1911年に建造されたPeking (全長377.6ft、全幅45.7ft)より大型です。写真に全景を収めるのが難しいほどの長い船体です。

この帆船は、1904年にスコットランド・グラスゴーのAlexander William Hamilton & Co.,で建造されました。所謂、Clyde(クライド川)産の帆船です。進水時にKurtと命名されました。

Moshulu (4)

最初のオーナーは、ドイツのG.H.J Siemens & Coで、KurtはオーナーのDr.Kurt Siemensからです。1914年までの10年間、Kurtは、欧州、南米、オーストリア間の石炭、硝石の輸送業務に従事していました。その後、第一次世界大戦の勃発に伴い、寄港地であった米国のオレゴン州で戦利品として米国に捕獲され、ここでMoshuluと改名され北米、オーストラリア間の羊毛輸送に従事しました。その後、何人ものオーナーが入れ替わり、1935年にはフィンランド・オーランド諸島の海運家であるGustaf Eriksonが購入しました。

Moshuluの最盛期は、1937年のオーストラリアから欧州間の穀物レース(Grain Race)時でしょうか。一転して1940年にMoshuluはナチス・ドイツに拿捕されてしまいました。その後、転々とオーナーが変わりつつ、徐々にマストを外されて洋上倉庫として1970年迄使われました。

Moshulu (5)

1970年に、Moshuluは米国のオーナーに購入されニューヨークのSouth Street Seaportに到着(スクリューがついていない純粋な帆船なので、タグボートに引かれ大西洋を横断)しましたが、早々にアメリカの外食会社に売却され(その後もオーナーは変わったが)今に至るそうです。

Moshuluは、合計で54回も南米最南端の航海の難所、ケープ・ホーンを廻る航海を行った、生粋のケープ・ホーナーです。

Moshulu (3)

現在は上の写真のように、洋上レストランとしてかなり大幅に改造されています。近くに寄ると、船体に大きなガラス窓が開けられているのが判り、一瞬ギョッとしますが、100年以上も前に建造された船体は丁寧に整備され、塗装も綺麗です。オリジナルの状態を保ちながら朽ちつつあるPeking より幸せな余生かもしれません。

残念ながら、1904年に建造されたこの由緒正しい帆船の船上で食事を取ることは叶いませんでしたが、これも次回のフィラデルフィア訪問の際の楽しみにしたいと思います。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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