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Lettie G. Howard 1893 (NYC South Street Seaport、その4)

Lettie G.Howard 1

South Street Seaport Museumのフリートの中で、僕がもっとも興味があったのが、この小さな2本マストのスクーナーLettie G.Howardです。以前の記事で書いた通り、Lettie G.Howardは、ニュー・イングランドのEssexで建造された正統なる4,000隻の木造スクーナー船の現存する5隻の内の1隻であり、今まで僕が出会えていなかった唯一の帆船でした。

Lettie G.Howardは、現在Essex Shipbuilding Museumになっている、マサチューセッツ州EssexのA.D Story造船所で1893年に建造されました。2本マストのガフ・スクーナーで全長125.4ft(約38.2m)、全幅21.1ft(6.4m)、93トンの当時の標準的な木造帆走漁船です。

帆走できる状態でSousht Street Searpotに保存されており、ニューヨーク付近でクルーズも行っているとの情報があったので、この由緒正しい帆船に乗ってみたいとの夢を持っていました。ところが、今年7月に訪れた時は、補修中で残念ながら海に出ていないとことで残念でしたが、次回、訪れる時の楽しみとします。

Lettie G.Howard 3

Lettie G.Howardは、これも博物館が保存している1908年に建造された灯台船Ambroseの横に係留され全景を撮影することが出来ませんでした。因みにLettie G.Howardのポート・サイドはフェリー待ちの行列。大都会の博物館なので、保存船のスペースも限定されているので仕方がないかもしれませんが。

Lettie G.Howard 2

Lettie G.Howardは埠頭から見下ろす形で係留されていましたので、逆にクローズアップとして船体と船上の構造物を詳しく撮影してみました。上の写真のように、シャープなクリッパー形の船首は、往年の快速帆走漁船を彷彿させます。『どこか他の船に似ているな』と思ったら、1997年に従来通りの工法で、且つ、A.D Story造船所の向かいにある現役のH.A Burnham造船所で建造されたThomas E.Lannon が頭に浮かびました。Thomas E.Lannonは、全長90ft、全幅18ftなので、Lettie G.Howardより小型ですが、緑色に塗られた船体、シャープな船首は共通です。

Lettie G.Howard Portside

木造帆船模型製作の参考として、船体側面の状況、排水溝の形状とか、19世紀のスクーナー船の実物は非常に参考になります。いつになっても建造を開始しませんが、僕の次の造船計画である1857年に建造された2本マスト・スクーナー、フライング・フィッシュの関連資料、写真がどんどん増えていきます。

Lettie G.Howard Stern

コーレル社のキットのフライング・フィッシュの図面には船尾の構造が側面からしか描かれておらず、迷うところですが、傾斜角度は違うにしても、船尾板の形状は上の写真のようなのかもしれません。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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