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ブルーノーズⅡ(Bluenose Ⅱ 1963)

Bluenose 1

云わずと知れたカナダを代表する帆船です。
ブルーノーズの姿は、カナダの10セント硬貨の裏面にも誇らしく彫られています。

Canada_2005_FDC_10Cents.jpg

ブルーノーズⅡは、1946年にカリブ海のハイチ沖で沈没したブルーノーズ(1921年建造)のレプリカ船です。ブルーノーズⅡはオリジナル船と同じノバスコシアのルーネンバーク(Lunenburg)のまったく同じ造船所であるSmith and Rhuland Shipyardで建造されていますので、通常の復元船ではなく正当なReproductionです。

オリジナルのブルーノーズは1921年に建造されました。全長161ft(約49m)、全幅27ft(約8m)、重量258トンと大型の2本マスト・スクーナーです。グランドバンク(Grand Bank)を漁場とする帆走漁船であると共に、1920年から始まったInternational Fishermen's Trophyでの勝利も目的に建造されました。International Fishermen's Trophyと名前が付けられていますが、実質、カナダのノバスコシアを拠点とする帆走漁船とアメリカのグロスター(フライング・フィッシュについて(その4、Gloucester)を拠点とする帆走漁船の一騎打ちのレースでした。

Bluenose 4

ブルーノーズは1921年のシーズンから参戦し、アメリカのElsie(この船もModel Shipways社よりキットが発売されています)に2-0で勝利しています。1922年には同じくアメリカの挑戦艇Henry Fordに2-1を打ち破っています。1923年のレースは、アメリカの挑戦艇Columbiaとの一騎打ちとなりましたが、1レースをブルーノーズが勝利したあと、2レース目でブルーノーズが失格となりました。1-1となったところで、ブルーノーズ側が失格についてクレーム、再レースをColumbiaに申し入れたところ、Columbia側がこれを拒否した為に、このシーズンは決着がつかず、1930年までレースが中断されました。

1931年に再開されたレースでブルーノーズはアメリカの挑戦艇Gertrude L. Thebaudに2-0でまたもや勝利。最後に開催された1938年のレースでもブルーノーズは、Gertrude L. Thebaudを3-2で下し、不敗神話を確立しました。

ブルーノーズは帆走漁船が時代遅れとなった1942年にカリブ海の輸送船として売却され、1946年1月29日にハイチ沖のサンゴ礁で座礁・沈没してしまいました。

Bluenose 2

さて、ブルーノーズⅡは、上記した通りの造船所で1963年7月24日に進水し、オリジナル船の船長であったCaptain Angus J. Waltersが処女航海を執り行いました。オリジナル船に敬意を表して、ブルーノーズⅡは一切の帆船レースには参加しないらしいのですが、帆船パレードを先導し、目の前を通り過ぎた姿はまさに快速艇そのもののでした。

ブルーノーズⅡについても幾種類かの帆船模型のキットが発売されています。Model Shipwaysのキット(http://www.modelexpo-online.com/product.asp?ITEMNO=MS2130)が縮尺にも忠実だと思います。喫水線以下が当時の快速スクーナーの典型的な船形であり、模型の姿は保守的(?)な僕の好みには合いませんが、この船は海に浮いているとバランスが取れたとても綺麗な姿です。長い船体、一際高いメインマスト、ヤードもキャビンも厳選された素材で綺麗です。美しい木造帆船のお手本のような船でした。

Bluenose 5

これで、2009年7月20日のハリファックスの帆船パレードに参加した個別の帆船に関する記事はおしまいにします。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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