プライド・オブ・ボルティモアⅡ(Pride of Baltimore Ⅱ 1988、その2)

Pride of Baltimore II with Salute (2) 7.20.09 Halifax, NS

2009年7月20日のハリファックス湾の帆船パレードでの光景です。Waterfront Boardwalkの埠頭に設置された貴賓席の真横を過ぎるタイミングに合わせ、プライド・オブ・ボルティモアⅡは1発の礼砲を発射し、観衆の大きな喝采と拍手を受けていました。船舷に開けられている砲門から煙が噴出すのが見えたら直ぐに、ドーン、と重い砲声がハリファックス湾に響きわたりました。プライド・オブ・ボルティモアに搭載されているのは、礼砲用に使用する大砲とはいえ、ちゃんとした6ポンド砲(合計4門搭載)で、砲声にはかなり迫力がありました。これが、32ポンド砲になるとどんな音なのでしょうか?

フォア・マストに掲げられているのはメリーランド州の州旗です。因みに、国旗は(写真では見えませんが)1795年に制定された星条旗(★が15個、1777年制定の★が13個の国旗ではない)が揚げられており歴史考察も完璧です。余談になりますが、アメリカ国歌(Star-Spangled Banner)の歌詞は、1812~1814年の米英戦争の重要な戦闘であった、英国海軍によるメリーランド州ボルティモアのマックヘンリー砦攻撃がベースになっています。夜を徹した激しい艦砲射撃にも拘わらず、明け方の光の中でマックヘンリー砦にはためいている星条旗を見たフランシス・スコット・キー(Francis Scott Key)が、感動が覚めやらぬうちにこの詩を書き上げたそうです(←これは、長男が通う学校のSocial Studyの宿題の題目でしたので一緒に勉強しました、歌が添えられたのは後日らしい)。因みに、フランシス・スコット・キーは、当時のマディソン大統領の特使として、まさにチャサピーク湾に陣取りマックヘンリー砦に砲撃を加えていたHMS Minden (1810年にインドで建造された74門艦)の艦上におり、砦に掲げられた星条旗を祈るように見ていたそうです。

Pride of Baltimore Cannon

さて、オリジナルのプライド・オブ・ボルティモアは、アメリカ建国200年目にあたる1976年に建造が開始され、1977年2月27日に進水、同年5月1日に就役ました。船体のサイズは、デッキ長90ft(27m)、132トンと、プライドⅡに比較すると一廻り小型でしたが、ボルティモア・クリッパーの特徴である強く傾斜したマスト(17度!の傾き)を持ち、船舷は白色に塗られていました(プライドⅡは黄土色)。オリジナル船は、1977年から1986年の9年間で、約150,000海里を帆走、メリーランド州とボルティモア市の親善帆船としてバルト海、地中海、太平洋(アメリカ西海岸)にも航海したそうです。ところが、1986年5月14日、プエルトリコ沖250海里(約460km)の地点で、突然のマイクロバースト(局地的な強い下降気流)に襲われ、沈没してしまいました。時速130kmの突風に襲われ、右舷側(Starboard Side)から横倒しとなり、数分で浸水沈没したそうです。12人の乗組員の内、船長及び3名の4名はこの船と運命を共にし、残る8名は4日以上漂流した後に救助されたそうです。先に記したコンコルディアも同じような状態の中で沈没したのかもしれません。ところで、オリジナル船を襲ったマイクロバーストは、ホワイト・スコール(White Squall)とも記録されています。たしかオーブリー・マチュリン・シリーズでもこのWhite Squallが登場していますね。オリジナルのプライド・オブ・ボルティモアに敬意を表して公式WEBから写真を引用してみます。全てのスタンスルまで展帆しているすばらしい姿です。

Original20PRIDE20All20Sails20Set.jpg

余談ですが、Model Shipways社から、Pride of Baltimore Ⅱの素晴らしい帆船模型のキットが販売されています。
(http://www.modelexpo-online.com/product.asp?ITEMNO=MS2120) このキットも欲しくなって来ました。下のような実船の各部の写真も撮影していますし。

Pride of Baltimore 4 Gun port  Pride of Baltimore 5

Pride of Baltimore 6   

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する