Morgenster 1919 (ブリッグ型帆船モルゲンスター) その1

このブリッグ(Brig)は、モルゲンスター(Morgenster)という名前の鉄鋼船です。1919年建造なので今年で99歳になりますが、建造当時の姿は全く異なっていました。この画像を見ると、遍歴が分かりやすいと思いますが、1919年当時はニシン漁に従事するラガー型帆船でした。建造当時の名前はVrouw Maria SC324です。

その後、1927年に内燃機関が設置され、さらに1947年に船体を7m延長。1959年にはMorgensterと改名されました。船尾のマークは当時船橋に描かれていたのと同じデザインです。その後、1970年まで漁船として地味なキャリアを積み、その後は、Radio Delmareという海賊放送局の洋上ベースとなったりと波乱万丈の経歴を経て、現在の船首であるHarry Muterに買い取られ1983年より連続的に改修が行われました。そして四半世紀後の2008年にクリッパー型ブリッグとして生まれ変わったのです。

甲板は鉄鋼を灰色に塗装しただけですし、デッキ上の構造物も黄色に塗られて船体は幾分帆船らしい情緒には欠けますが、見上げると見事なブリッグ型の艤装です。頭上にカメラを向けるとフォアマストのトップ付近の人影がファインダーに入ってきました(黄色の矢印)。

ズームレンズで焦点を合わせると、フトックシュラウド (Fiuttock Shrouds)からトップに登るクルーでした。セーフティ・ハーネスを着けていますが、見ている方がハラハラする場面でした。停泊中でもこんな感じですので、揺れる海上でのマストの作業は大変そうですね。

フォアキャッスルから見たバウスプリットです。無骨なウインチが雰囲気を壊していますが、元々は漁船ですのであまり期待してはいけないかもしれません。そういえば、錨も当然ストックアンカーでした。

モルゲンスターの記事を続けます。
コメント
コメントの投稿
« Morgenster 1919 (ブリッグ型帆船モルゲンスター) その2 l ホーム l Christian Radich 1937 (クリスチャン・ラディック 1937) その3 »