Yacht America (ヨット・アメリカ 1851) その8

America Stern View 1

アメリカのヨットの大御所(The grand old man of American Yaching)の異名を持つWilliam Picard Stephens(1864〜1946)が残した莫大なヨットに関する資料は、ミスティック・シーポートに保管されているそうですが、1921年に書かれたWP Stephensのレター(Letter from W.P Stephens)によると、ヨット・アメリカのオリジナル帆船の船形は定かではないそうです。

America Name Plate

レプリカ帆船に取り付けられた、少し大きすぎる感じのスターンの鷲の彫刻と誇らしく彫られた「AMERICA, NEW YORK」のデザインは本来はどうだったのでしょうか?

この彫刻を除くと、スターンは低い形状で、船尾の吃水が深く、当時のフィッシング・スクーナーに比較すると遥かにモダンなデザインです。

Howard I Chapelleの図面を引用してみます。上が1851年に建造されたAMERICAで、下が1857年にEssexのA.Burnhamが建造したFLYING FISHの図面です。

America Drawings by H Chapelle

Flyring Fish Drawing by H Chapelle

フライング・フィッシュは、当時の快速艇だったそうですが、やはり漁船で実用性重視なのでしょうか。ヨット・アメリカは、JamesとGeorgeのSteers兄弟が設計し、ニューヨークのEast Riverにあった H. Brown造船所が建造しました。そもそもヨット・アメリカはJohn Cox Stevensが率いる、ニューヨーク・ヨットクラブが英国にアメリカの造船技術を見せつけることと英国艇を打破することを目的に発注したスクーナーですので、他の帆船と成り立ちが異なります。

1851年建造のヨット・アメリカは、船体長が101ft3in(約30.86m)、幅が22ft10in(約6.96m)です。因みに6年後の1857年に建造されたフライング・フィシュの登録は、船体長が75ft(22.86m)、幅が22ft6in(6.88m)ですので、ヨット・アメリカの方がスマートな船体ですね。ヨット・アメリカの船尾の図面も引用してみます。

America Drawing by H Chapelle 2

当時の一般的なフィッシング・スクーナーは、前部甲板と段差がある後部甲板があるのですが、アメリカはフラット・デッキです。

前部甲板に陣取りシュラウドを掴んで、静かな水面を帆走するヨット・アメリカの舳先を見ていると、なにか19世紀にタイムスリップした感じがしてきました。

America Bow - Hatch

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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