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HMSサプライズ(HMS Surprise,ex-HMS Rose) 1970 その4

HMS Surprise Figurehead

次はHMSサプライズの船首構造を見ていきます。
フィギュアヘッドは、剣と盾を持った女性像です。ローマの戦士のような姿です。

ところで、ジャック・オーブリー・シリーズのHMS SURPRISEの表紙を見ると、ジェフ・ハントが描いたHMSサプライズの船首像が少し不自然です。本の表紙絵をよく見ると剣を左手に持っています。題材の検証をしっかり行うジェフ・ハントらしくないな、と思いましたが
The Frigate Surprise: The Complete Story of the Ship Made Famous in the Novels of Patrick O'brianの中で、ジェフ・ハントが自らこの理由を説明していました。本の表紙に使用するために本来の絵を反転したそうです。ところで、表紙絵の船首像は彩色されていますが、個人的な好みでは、フィギュアヘッドは単色(白とか金とか)が好きです。彩色された船首像は、コミカルな感じがします。

HMS Surprise Book Cover

マスター・アンド・コマンダーの映画の中では、砲撃を受けて痛々しい姿になった船首像を修復する場面がありますが、木彫りのフィギュアヘッドを作製するのも、修復するのも芸術家の仕事ですね。帆船模型でこの船首像を再現するのは至難の業だと思います。

HMS Surprise 船首像(2)

さて、次は美しい弧を描くヘッドレールを見ていきます。19世紀に入ると船首構造が単純化されていきますが、1794年に建造された元フランス艦には、見事な造形のヘッドレールが取り付けられており、HMSサプライズの復元船でも良く再現されています。

HMS Surprise Head Rail (1)

フォアキャッスルの先端から見下ろしたのが下の写真ですが、上から見るとヘッドレールは真っ直ぐであり、キャッドヘッド・サポーターに接続される、ロワー・レール以外は、3次元の曲面ではないことが良く判ります。この写真からヘッド・ティンバー(Head Timber)の取り付け位置も明確だと思います。

HMS Surprise Head Rail(3)

下の写真は略正面から船首を撮影した写真です。ヘッドレール、トレイルボード、チーク(Cheek)の位置関係が判ります。

HMS Surprise艦首前方

それでは次は艦尾を見ていきます。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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