スピリット・オブ・デイナ・ポイント(Spirit of Dana Point 1983、その2)

Ocean Instituteが所有する帆船紹介を読んで、Dennis Holland氏に興味を持ちました。
「It was Dennis Holland’s life dream to build an accurate replica from the period when America fought for independence..」という文章で始まる紹介文です。
実際にDennis Holland氏は、6年間ロング・ビーチの造船所で働いた後、24歳の時に自宅(Costa Mesa)の裏庭で、118ftの木造帆船の製作を始めました。1770年代の2本マストのスクーナーを13年かけて見事に再現し、Pilgrim of Newportと命名された時、同氏は37歳になっていました。

この後、Holland Familyは、生活の場を船上に移します。Pilgrim of Newportで過ごす7年間の間に、Dennis Holland氏は丁寧に帆船の改良を続けます。Holland Familyが船を下りた後も、Pilgrim of Newportは、2001年にOcean Instituteが購入して、Sprit of Dana Pointと改名する迄、チャーター帆船、そして鯨ツアー帆船として活躍します。

Dennis Holland氏の近況は、同氏のWEBサイトに詳しく紹介されていますが、現在のプロジェクトは、1916年に建造された72ft(約22m)のケッチ型帆船Shawneeの修復計画です。
ところが、Shawneeの復元作業は大きな暗礁に乗り上げています。Google Mapを見ると、なんとなく状況が理解できるかと思いますが、現在のHolland Familyの自宅は、 不動産情報の通り、100万ドル以上の物件が多い高級住宅地にあります。ということで、Dennis Holland氏は、近所の住民からのクレームを受け、帆船の撤去を求めるNewport Beach市と係争中にあります。

最近の地元の新聞記事を見ると、Dennis Holland氏は、癌治療を続けながら、Shawneeの解体作業を進めている様子です。
帆船模型作成でもかなりの騒音と埃がでますので、確かに付近の住民からすると、自宅の庭で帆船を造られるのは堪らない気持ちは判りますが、何も解決策がが無い侭、歴史的な帆船が解体されていくのは忍びないような気持ちがします。
次はOcean Instituteが保有する別の帆船、Pilgrimについて書いてみたいと思います。
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