Maserati VOR70 (マゼラーティのレーシング・ヨット) その1

Maserati VOR 70 (1)

長らく車の趣味から遠ざかっていますが、偶々Maseratiのホーム・ページを見ていたら、冒頭のヨットの写真が掲載されていました。

なんとマゼラーティのレーシング・ヨットです。その名もMaserati(日本語ではマセラッティと表記されますが、ここではイタリア的にマゼラーティと書きます)。単胴艇で最速といわれるVolvo Ocean Raceの仕様に基づく帆船です。全長が70ft(21.5m)、全幅が18.7ft(5.7m)、全高が103.3ft(31.5m)と途轍もなくマストが高いのが特徴です。それにしてもとんでもなく派手な船体のペイントとセイル・デザインですが、流石にイタリアの名門マゼラーティ、見事なセンスです。写真は、公式WEBの壁紙ダウンロードから引用させて頂きました。

Maserati VOR 70 (3)

この帆船は、つい先月、スペインのカディス(CADIZ)からバハマのサン・サルバドル(San Salvador) の区間(3,884海里)を10日と23時間9分2秒で帆走し、単胴艇の最速帆走記録を樹立したのでした。この区間は、1492年8月3日にコロンブスが、サンタ・マリア号、ニーニャ号、ピンタ号の3隻の船団でパロス・デ・ラ・フロンテーラ (Palos de la Frontera)を出航し、カナリア諸島経由でサン・サンバドルに10月12日に到着した有名な航海とほぼ同じルートです。コロンブスの航海期間は実質5週間程度だったそうです。

ところで、Maserati号は、この区間を平均速度は17.6ノットで実際には4,632マイル帆走したそうです。この航海の様子は公式WEBに詳しく記載されていますのでご覧下さい。

このヨットには、ジョバンニ・ソルディーニ(Giovanni Soldini)が率いる8名のクルーが乗り込んでいますが、Maserati号は次の記録樹立を目指して、現在、米国サウス・カロライナ州のチャールストン (Charleston)で風待ち(?)の状態です。Maserati号の次の挑戦は、単胴艇の24時間帆走記録の樹立です。現在の24時間帆走記録(A Day's Run)保持艇は、同じVOR 70船体のエリクソン4が2008年10月に樹立した596.6海里です。公式WEBで実況されるみたいですので楽しみにしています。実は、Maserati号はチャールストンを3月7日に出航して、ノースカロライナ州のCape Hatterasに向かい、3月9日~10日頃から記録に挑戦する予定だったのですが、流木により舵(ラダー)を損傷してしまい、チャールストンに戻って修理をしたのでした。 下は船体の図面ですが、如何にも速そうですね。

Maserati VOR 70

歴史を紐解くと、アメリカの造船家Donald McKayの傑作であるクリッパー帆船チャンピオン・オブ・ザ・シー(Champion of the Seas)がAlexander Newlands船長の指揮下、英リバプール-豪メルボルン間の処女航海で1854年12月11日に樹立した24時間で465海里を帆走した記録が有名ですね。この記録はなんと1984年まで130年も破られなかったのでした。ブラック・ボール・ラインのChampion of the Seasは、全長252ft(76.8m)、全幅45.6ft(13.9m)、2,447トンで1854年にボストンで進水しており、下の写真が残っています。クリッパー型帆船が満帆で疾走する姿はレーシング・ヨットとは比較できない迫力だと思います。

champion of the seas-mckay-1854

トライデント・マークを見ると、在りし日の愛車を思い出します。たしか18年程前に最初のMaseratiを購入して、その後、何度かイタリアのモデナ(Modena)のMaserati本社に足を運んだのでした。この話は、別の機会に。。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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