帆船関係の書籍(Howard I Chapelle編)

記事の更新がまたもや著しく停滞してしまいました。
ますます仕事が忙しくなり帆船模型と向かい合う時間も殆どありませんが、ささやかな楽しみは、就寝前の短い時間に少しづつ読み進めるHoward I Chapelleの名著の数々です。
以前の記事で紹介した、The American Fishing Schooners: 1825-1935を皮切りに、新品で手に入るHoward I Chapelleの著書を7冊揃えてみました。The History of the American Sailing NavyとThe History of Americal Sailing Shipsの2冊は専門店からの取り寄せで新品とはいえ、再版されたのが1980年代なので幾分黄ばんでいましたが、まずまずの程度の本を手に入れることが出来ました。
The History of American Sailing Shipの初版は1935年でアメリカ独立前の18世紀から20世紀初頭の木造スクーナーに至るまで、豊富な図面とともに米国での帆船の発展が丁寧に解説されており、本文は350頁程の分量です。
The Americal Sailing Navyの初版は1949年で、更にアメリカ海軍の艦船に絞った力作で補記(Appendix)を加えると550頁に及ぶ大作です。図面も豊富で頁を捲っているだけでも幸せな気分になれます。
Howard Irving Chapelle(1901-1975)は、造船技師としてのキャリアを積み、1930年代には自らの造船所をメリーランド州のChambridgeの近くに持っていたそうです。そして第二次世界大戦中は、米国海軍の造船技師として活躍、大戦後は、英国、トルコでの研究も行い、1957年から国立アメリカ歴史博物館(The National Museum of American History)の学芸員(curator)となり1971年に引退するまで、米国の帆船の造船技術と歴史を中心とした研究を続けられました。Howard I Chapelleの著書は、アメリカの帆船の歴史を研究する上での古典ですね。
それでは、Howard I Chapelle以後のアメリカの帆船の研究はどうなっているのでしょうか。
アメリカの帆走海軍(Sailing Navy)を主題とした次の新刊(2001年出版、なんと21世紀の著書!)もお勧めです。
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アメリカの帆走軍艦というと、どうしてもUSSコンスティテューション(USS Constitutionに代表される重量級フリゲート艦を想像しますが、この本には米国海軍の戦列艦も詳しく解説されており、1820年に進水したUSS Ohio(74門艦、なんと就役は1838年だそうですが)、1814年に進水して1815年に就役したUSS Independence(74門艦)とかはなんと晩年の写真も掲載されています。これ以外にも、今まで見たこともないような貴重な写真が幾つか添えられているのが特徴です。
帆船の本は、出版される数も限られているので、なにか面白そうな本を見つける度に買ってしまうので、どんどん増えていきます。しかし、帆船模型の作製はなかなか進みません。
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