ハリファックス(ノバスコシア)

1813 H.M.S Shannon leads U.S.S Chesapeake into Halifax Harbor

オーブリー・マチュリン・シリーズの第7巻「The Surgeon's Mate」の冒頭の印象的なシーンを彷彿させる版画です。この光景の舞台であるハリファックス(Halifax)を訪れるのが僕の長年の(かなり数多い)夢の一つでした。それも、出来れば船でハリファックス港に上陸したいと漠然と考えていました。

ハリファックスについて簡単におさらいしておきます。

(1)17世紀初頭から英国のノバスコシアの植民地の中心であったPort Royalから1749年にハリファックスに植民地総督府が移されました。その前は、現地の言葉でChebucto(Great Harbourの意味)と呼ばれていました。又、ノバスコシアのフランスの拠点であったLoisbourgは、7年戦争の過程で1758年にイギリス軍が陥落しノバスコシアからフランスが駆逐されたことも、ハリファックスの安定的な成長に寄与しました。

(2)アメリカ独立戦争時、英国側の総指揮官ウィリアム・ハウ将軍(William Howe、上のLoisbourg包囲戦でも活躍)が1776年3月30日に200人の将兵、3,000人の英国兵に加え、4,000人を超えるNew Englandからの王党派の難民(Loyalist Refugees)を引き連れてハリファックスに到着。これで英国によるハリファックスの北米の軍事拠点とのしての性格が決定付けられました。因みに海洋小説によく登場するリチャード・ハウ提督(Richard Howe、ガーター勲爵士、後にハウ伯爵)は、ウイリアム・ハウ将軍の実の兄です。

(3)1794年にプリンス・エドワード(ケント公、プリンス・エドワード島に名前を残すジョージ3世の4男)がハリファックスに着任してから急速にインフラが整備され人口が増加しました。因みに、プリンス・エドワードは最終的に英国北米拠点(British North America)ののC in C(Commander-In-Chief、いい響きですね)に任命されています。

(4)ハリファックスは大艦隊を停泊できる天然の不凍港であり、1906年に英国海軍がカナダから撤退するまで、海軍工廠(Royal Naval Dockyard)を備えた英国海軍の尤も重要な拠点の一つでした。20世紀に入ってからの出来事である、1912年のタイタニックの救難港としての役割及び1917年のハリファクス大爆発については後で触れたいと思います。

2008年の夏の休暇(マサチューセッツ州とメイン州を中心とした旅行)で、細々と続いていた帆船の趣味が再燃してしまいましたので、2009年の休暇もなんとか帆船に焦点を合せたものにしたいと思っていました。

2009年の帆船に関連する大きなイベントは、Sail Training International(STI、http://www.sailtraininginternational.org/ ) とThe American Sail Training Association(ASTA、http://tallships.sailtraining.org/)が共催する大西洋横断帆船レース(TALL SHIPS ATLANTIC CHALLENGE、http://www.tallshipsraces.com/atlanticchallenge/)とバルト海を舞台としたSTIとアントワープ市が開催するバルト海帆船レース(THE TALL SHIPS RACES 2009 BALTIC)の2つに大きく分かれていました。

その後、個々のイベントを調べていくと、なんとTALL SHIP ATLANTIC CHALLENGEのホスト港としてハリファクスがノミネートされていることを確認。更にハリファックスでのイベントの日程は7月16日~20日なので、なんとか休暇に合せられそうです。突然、当分行くことは無いと思っていたハリファックスへの旅が現実味を帯びて来ました。

Tall Ship Atrantic Challenge 2009

ただし、大変な強行軍となります。家族と仕事の都合上、ニューヨークに到着するのが7月17日の夕方。どうしても外せない7月19日迄の一般公開、7月20日の帆船パレードに間に合わせる為には、遅くとも7月18日中にはハリファックスに到達しておく必要があります。ハリファックスは、カナダのノバスコシア州の州都ですが、Google Mapによるとニューヨークから陸路でちょうど900マイル(約1,450km!)です。空路が現実的ですが、2008年夏のアメリカ旅行で国内線の乗り継ぎに際に酷い経験をしたので(6時間の遅れと厳しい検査)、JFKでトランジェットをする選択肢はありません。

結論は、ニューヨークからメイン州のポートランドまでレンタカーで移動。ポートランドから高速フェリーでノバスコシアまで移動する方法を選択。残念乍らポートランドからのフェリーはハリファックスには着かず、ヤルマス(Yarmouth)に到着します。ハリファックスに入港するとの夢は叶いませんが、カナダに船で行きノバスコシアに上陸するとのアイデアは気に入りました。問題は陸路の移動です。JFK空港からポートランド迄、約315マイル(約507㎞)。フェリーのスケジュールを見ると、翌日、18日の朝7:00に乗船、8:00に出航です。

高速フェリーを予約し(ネットでは予約が出来ず電話で予約)、レンタカーも予約し(これはいつものハーツ・レンタカーなので簡単)、長時間のフライトの間、しっかり睡眠を取ることと念じて休暇に入りました。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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