ニュー・イングランドの新造木造帆船(Schooner Ardelle、2011)

最近のTHE OLD SALT BLOGの記事でも紹介されていますが、以前の記事で紹介したマサチューセッツ州エセックスの歴史的なBurnham家の造船所で新たなスクーナーが進水しました。
今年の7月9日の満潮時を狙ってサイド・スライド方式(Essex side-launch)で進水したこの帆船は、船尾形状が特徴的なピンキー型(Pinky)の木造スクーナーで、アルデール(Ardelle)と命名されました。この名前は、Burnham造船所の当主Harold Burnhamの祖母の名前、それに今年15歳になるご令嬢のMiddle Nameからだそうです。エセックスの造船の歴史を受け継ぐユニークなサイド・スライド方式の進水式は、地元紙の記事で動画を見ることも出来ます。冒頭の写真は、僕が撮影した写真ではなく、WEBから引用させて頂いたものですが、ユニークな進水方法が良く判ります。このサイド・スライド方式は、ちょっと前にAmazon.comから取り寄せたお気に入りの本Essex Shipbuilding (Images of America)に何枚も掲載されている由緒正しいEssex産のスクーナーの進水式と同じ方式です。
Burnham造船所があるEssex Townは、Essex湾からEssex川をかなり遡ったところにあり、水深も浅く進水式は必ず満潮時に行う必要があるような環境ですが、1850年代に、この地に名門Story家、James家、それにBarnham家を中心とした15箇所の造船所があり、累計で4,000隻もの木造スクーナーが建設されたのでした。Google Mapで見ても信じられないくらい内陸に位置していることが判ると思います。
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ところでこのPINKY型のスク-ナーは、Burham造船所でEbeniser Burhmanにより1845年に建造された同型のMAINEに基づき建造されたそうです。この1819年から続くBurnham造船所の歴史の一幕に、1857年に進水したフライング・フィッシュ(Flying Fish)も含まれていたと思うとなんとも感慨深いものがあります。
ところで、僕が作っている模型のフライング・フィシュの方は、半年近く休眠状態となってしまっています。スクーナー・アルデールのキールが据付けられたのが2010年8月だそうですから、11ヶ月ほどで進水式を迎えています。方やFlying Fishは同時期に製作を開始したのですが、年始の誓いに書いた通りに今年中に完成するか微妙な状況になってきました。
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