砲艦フィラディルフィア 1776年 (国立アメリカ歴史博物館、National Museum of American History、ワシントンDC、その1)

Gunboat (2)

ワシントンDCでの楽しみは、ナショナルモールを散策しながら、スミソニアン学術協会が運営する一連のスミソニアン博物館(Smithonian Museum)を見学することでした。

一番興味があったのは、アメリカ歴史博物館ですが、幾つかの博物館を梯子しながら撮影した写真を掲載したいと思います。しかし博物館の梯子って贅沢ですね。おまけにスミソニアン博物館の入場料は無料なのです。

Gunboat (1)

National Museum of American History(略してNMAH)で見たかったのは、第2次英米戦争当時、1814年の英国海軍によるボルチモアのマクヘンリー砦(Fort McHenry)の艦砲射撃の際に砦に掲揚されていた星条旗です。この星条旗はNMAHのWEBでも見ることが出来ますが、実物はとても大きな旗です。

次に向ったのは、Gunboat Philadelphiaの常設展示です。フィラデルフィアは、1776年に建造されバルカー島の戦い(Battle of Valcour Island)として知られる1776年10月11日~13日の英国と大陸軍Continental Army)との戦闘で使用された砲艦(Gun Boat)です。

表題で砲艦と記載したのは、アマティ社の帆船模型でスウェーデンの砲艦(1775年)というキットをイメージしたものですが、このキットとフィラデルフィアは、コンセプトは似ていますが異なる構造です。ところで、フィラディルフィアをGundalow或いはゴンドラと記されるケースもあるそうですがちょっとイメージが異なるので、ここでは砲艦とします。大きさは長さが54ft(約16.5m)、幅が17ft(約5.2m)、29トンで、船首の12ポンド砲x1門と、両舷に9ポンド砲x2門を搭載しています。先に紹介したディスカバリーⅣより大きい船体です。展示されていた模型を見ると構造が判りやすいと思います。

Gunboat (3) Model

フィラデルフィアが参戦したのは、ニューヨークの北部のシャンプレーン湖の戦いです。大陸軍の指揮官は、独立戦争で大きな成果を挙げながら、後に英国軍に寝返ったことで有名なべネディクト・アーノルド(Benedict Arnold)です。 大陸軍側から、この湖上の戦闘に参加したのは、8門搭載のガレー船Congress(旗艦)、12門搭載のスクーナーRoyal Savageを含めた15隻です。この中に、フィラデルフィアのような3門搭載の砲艦が合計8隻参戦していました。一方、英国軍側は、22門搭載のスループ艦HMS Inflexibleを中心とする25隻の艦隊でした。戦力で劣る大陸軍は、15隻中11隻を失う惨敗でしたが、このバルカー島の戦いにより、英国軍のサラトガ方面への展開が1年間遅れる結果となり、大局的にはアメリカ側に利することが大きい戦いであったと後日評価されています。

Gunboat (4) Deck

さて、フィラデルフィアは、1776年10月11日の戦いの初日に、24ポンドの砲弾を右舷下に被弾して沈没してしまいます。そして、Colonel Lorenzo Hagglund(大佐)により発見され、1935年に引き揚げられるまで湖底で眠りについていました。被弾した24ポンドの砲弾と穴が開いた船底も判りやすく展示されています。

Gunboat (5) 24pdr cannon ball

やはり本物は大変な迫力がありますね。保存状態も良好です。船首の12ポンド砲の砲台の構造もしっかり確認できます。記録によると、フィラデルフィアが湖底で発見された時には、マストも立ったまま沈んでいたそうです。残念ながら当時(1935年)、学術的な調査が行なわれない侭、引き上げられてしまったそうですが。

Hobby Market

ということで、砲艦(ガンボート)の帆船模型がまた欲しくなってしまいました。。スミソニアン博物館を訪れてからちょうど6日後、ある国に出張した際に、昔から行きつけの模型専門店を訪れたら、Panart社のArmed Launch(英国海軍の1803年の武装ランチ)のキットの完成見本が展示してありましたので、迷わずこのキットを購入してしまいました。実は、アマティ社のスウェーデンの砲艦のキットも、廃盤になる見込みとの情報により、同じ模型店で2003年頃に購入しているのですが、日本に置いてあるので今は手元にありません。

Armed Launch 1803

またもや未製作の帆船模型キットのストックが積みあがってしまいました。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行

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