STV SEDOV 1921 (バーク型帆走練習船セドフ) その4

Sedovをじっくり眺めていると、どうしてもPekingを思い起こします。SedovはFlying P-Lineのフリートではなく、建造されたのもPekingの10年後ですが黒い塗装のためでしょうか。無骨な貨物帆船そのままのSedovの舷側に近寄ると、100年近くの時間を刻んだ重みを感じました。

本当のFlying P-LinerであったKruzenshternより、往年の帆走貨物船の雰囲気を感じるのは、塗装と共に控え目なブリッジ(船橋)の為かもしれません。Krusenshuternは、ソ連時代に設置された近代的な大型ブリッジが幾分雰囲気を削いでしまっているような印象を受けます。

帆船パレードでは、残念ながらセールは揚げてくれませんでしたが、やはり停泊している姿とは違います。ボートで近くによると28mmの広角レンズで漸く全景を写真に収めることができる程の大きさでした。

どこから見ても美しい姿ですが、このクオーターバックからの眺めは最高です。黒と白の船体、喫水下の赤の塗装と見事にFlying P-Linerの塗装パターンを踏襲しています。もっともKommodore Johnsenの船名でNorddeutscher Lloydが運行していた時代(1936-1945)の写真を見るとやはり黒と白の船体ですので、F. Laeiszの往年のフリートの専売特許ではないのでしょうが。

先行する真新しく華があるStad Amsterdamの後ろを悠々と進む巨大なSedovの姿が印象的でした。いつかセールを揚げた姿を見てみたいものです。

これでSEDOVの記事は終わりにします。