HMSサプライズ(HMS Surprise,ex-HMS Rose) 1970 その8

この写真は、艦首からフォア・マストを見上げた構図です。
フォア・ステイ(Fore Stay)を辿っていくと、クロウズ・フィート(Crow's feet)がステイを支えているのが分かります。カラスの足とは巧く表現したものです。帆船模型でも再現されるのでお馴染みですが、とても細いロープですね。無論、フォア・ステイはお約束通りにS字撚りのロープが使われています。フォア・ステイの下のロープは、フォア・プリベンター・ステイ(Fore Preventer Stay)で、フォア・ステイスル(Fore Staysail)を張る時に動く輪、ハンクス(Hanks)が手前に見えます。
しかしフォア・ステイは見事な弧の字を描いています。この弛みを模型で再現するのは余程大型の模型でないと無理でしょう。ところで、セイルを見ると、フォア・コース(Fore Course)は取り外されていますね。下の写真はWEBから引用したHMSサプライズのフル・セイルの写真です。いつか帆走する姿を見てみたいです。

さて次は、キャッドヘッドです。アンカーの取り付け方が参考になります。但し、アンカーは現代的な構造で、ストックは木製ではありません。まあ、野暮なストックレスアンカーより雰囲気はありますが。

キャットヘッドを艦上から見た姿が次です。クリートとヘッド・ティンパーの位置、アンカー・ストッパーの取り回しが参考になります。このあたりは本当に18世紀のフリゲート艦の構造が見事に再現されています。

フォアキャッスルを観察していて面白いものが目に入りました。アンカーに取り付けるブイですね。素材はともかく形状はこれも18〜19世紀の帆走フリゲートのブイと同じだと思います。

詳細を見ていくと、止まらなくなってしまいます。次はようやく艦内に入ります。