Star of India (ex-Euterpe) 1863 その1

Star of India Figurehead

スター・オブ・インディア(Star of India)は、本来のこの帆船の名前ではありません。美しいフィギュアヘッドに相応しく、エウテルペ(Euterpe、ギリシャ神話の女神)と命名され、1863年に英国のマン島で進水しました。

1863年というと、1869年に建造されたカティ・サークの6年前です。ところが、なんとスター・オブ・インディアは浮かんでいるばかりではなく、「World's oldest active sailing ship」の言葉通り、定期的に帆走する現役の帆船なのです。

Star of India (3)

Star of Indiaの船体は、鍛鉄(wrought iron)製です。ニューヨークのSouth Street Sea Portで保存されている、Wavertreeと同じです。尤もWavertreeが建造されたのは1885年で、造船界は鋼鉄(Steel)の採用に急速に移りつつある時期でした。下は船尾を撮影したものですが、激しく(?)リペットが打たれているのが判ると思います。

Star of India wrought iron

木造帆船と異なり、鍛鉄製の船体は非常に頑丈なのでしょう。2001年の調査で、スター・オブ・インディアの船体はほぼ建設当時のままのあることが判明しています。

この帆船の長い経歴を少し列記してみます。

1863年11月:マン島のRamsey Shipyardで竣工、エウテルペと命名。艤装は、フルリグド・シップであった。
1864年〜1870年:インドとのジュート(Jute、ロープの原料となる黄麻)貿易に従事。
1871年:Shaw, Savill & Companyに売却され、ニュージーランド向けの移民船として活躍する。
1899年:Pacific Colonial Ship Companyが購入。2年間に亘り西海岸の木材輸送に従事。
1901年:Alaska Packers' Association(ASA)に売却。艤装を今の姿のバーク型に改造。ベーリング海の輸送業務に従事。
1906年:ASAの他のフリートと同様に Starで始まる船名に改名。Star of Indiaとなる。
1923年:アラスカへの通算22回の航海の後に引退。
1926年:サンディエゴに売却。その後、1957年より補修が開始され、1976年に再び帆走が出来る状態になる。

このように、貨物帆船、一時期は貨客船(移民船)としての地味なキャリアですが、この帆船が尤も活躍したのは、3本マストの全装船Euterpeとしてニュージーランドに移民を運んだ時期だと思います。当時の写真は下の通りで、美しいクリッパー型の帆船です。

Euterpe 1863

長くなりましたので次編に続けます。

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