Happy 100th Birthday (Peking 1911、NYC、サウス・ストリート・シーポート博物館)

Peking 製造プレート

今日は世界に4隻だけ残っている、由緒正しいFlying P-LinerでNYCに係留されているPekingの100回目の誕生日です。Pekingは1911年2月25日にドイツ・ハンブルクのBlohm + Voss造船所 で進水しました。Blohm & Voss造船所は、ドイツ最大手の重工業メーカーであるティッセン・グルップ系列のThyssenKrupp Marine Systemsの傘下会社になり現在も活動しています。

Peking進水100周年の記念にNYCのサウス・ストリート・シーポート博物館でどのような催しが行われるのか伝わってきませんが、実は寂しい誕生日になっていないかと勝手に心配しています。下の写真は、Peking船内のパネル展示の写真です。1911年の進水式とケープ・ホーナーであった現役時代の写真です。栄光のF.Laeiszのフィギュア・ヘッド(船首像)だけは昔のままです。

船内展示

最近のPekingに関する報道を調べると、あまり明るい記事は見当たりません。サウス・ストリート・シーポート博物館のコレクションである、ウエーバー・ツリーを始めとする歴史的な船を保存する資金を確保する為にも、現役時代にニューヨークに寄港もしたことないPekingを売却するアイデアが出されていたようですが、結局、Pekingの売却先は見つからず、今の状態が続いているものと思われます。

もっと悪いことに、僕が愛読しているOLD SALT BLOGの記事によると、なんとサウス・ストリート・シーポ-ト博物館は、最近、以前の記事で書いたPioneerの船長を含む12名のスタッフを一時解雇したとか、Pekingだけではなく、1893年にマサチューセッツ州Essexで建造された貴重なスクーナーLettie G Howardも売却対象にしているとか、の話になっており、博物館の経営難がとうとう限界に来ている感じがします。

Peking中部甲板

上の写真はPekingの甲板を撮影したものです。「Flying P-Linerの生き残り」という事実だけで感動してしまう帆船をこよなく愛する人種ではない普通の観光客が、塗装が剥げて汚い(失礼)ベニア板で覆われたガランとした中部甲板に降り立った時に、どんな印象を持つでしょうか?船を守っているのもボランティアと思われる一人だけですし、子供達にとって面白い展示も、啓蒙的な展示物もなく、家族で長い時間を過ごせるところではありません。

現在のこの博物館の会長は、Mr.Frank J. Sciameという人だそうですが、最新のOLD SALT BLOGの記事を読むと、「不動産開発業者でもあるこの会長の頭から、費用が掛かる歴史的な船を保存するという本来の目的は消え去っている」、と手厳しい意見です。昨年7月にサウス・ストリート・シーポートを訪れた時に感じた、再開発され賑わっているモールと対照的に閑散としている博物館と朽ちゆく歴史的な帆船、との印象を改めて思い起こしました。

Peking 船首から

Peking Starboard

100歳を過ぎたPekingの余生はこの後どうなるのでしょうか?割れた丸窓を放置するか、ベニアで蓋をするのではなく、せめて硝子を入れ替えてくれるオーナーの元で末永く保存されると良いですね。

テーマ : 帆船紀行 - ジャンル : 旅行