USS Constitution 1797 (その10、スパー・デッキ)

USS Constitution 2009 Spar Deck Front

2009年7月にコンスティテューションを再訪した時も、スパー・デッキは修復中で、肝心のカロネード砲の砲列が撤去されていました。本来であれば、32ポンドのカロネード砲が片側12門、合計で24門がスパー・デッキに設置されている筈です。さらに2009年夏時点では、スパーデッキの大部分が仮設天井に覆われていました。お陰で訪問日は雨模様でしたが濡れずに見学ができましたが。

冒頭の写真は、スパー・デッキの前部からスターボートサイド(右舷)を撮影したものです。木製のクリートの取り付け方が良くわかります。因みにコンスティテューションのデッキは、ニビング(Nibbing)されていません。今回の補修では、スパー・デッキの甲板材を全て張り替える予定だそうですので、修理が完了したら再度チェックしてみたいと思います。帆船を見学するときに、ニビングがされているか否かは結構気になりますが、USSコンステレーションのニビングも左右で差異がありましたし、模型作成の際にはあまり気にすることはないのかもしれません。

USS Constitution 2009 Spar Deck 甲板

カロネード砲は撤去されていますが、砲板、テークル(Tackle)の取り付け金具は下の写真のようになっていることを詳しく観察することが出来ました。

USS Constitution 2009 Spar Deck Gun Port

又、訳が判らない各部の拡大写真が増えてしまいましたが懲りずに続けます。次は、フォアマストのビットとファイフレールの構造です。ビットには滑車が組み込んであります。ファイフレールの寸法を測ったところ、厚みが13cmもありました。Model Shipwaysのキットの縮尺は、1/76.8ですので、模型のファイルレールの厚みは約1.7mmということになります。ところで、ファイフレールのビレイピンの穴のサイズを測ったところ、直径4cmほどでした。ビレイピンを正確な縮尺とすると、中間部が直径0.5mm程度になります。やはりキットのビレイピンは総じて太すぎですね。

USS Constitution 2009 Spar Deck Fore Mast Base

さて最後に陸揚げされていた、ヤードの写真とジブ・ブームが取り外されたバウスプリットを撮影しました。ヤード類は補修が完了してマストに揚げられると、間近で見ることができませんので貴重な写真だと思います。

USS Constitution ヤード置き場

USS Constitution メインヤード

USS Constitution Bowsprit

ということで、2009年夏に訪れたUSSコンスティテューションの詳細写真の紹介はこれで終わりにします。公式WEBサイトを見ると、同艦の現在の姿を見ることができますが、下の写真は2011年1月時点で撮影されたものです(公式WEBから引用)。2012年の第二次英米戦争(1812年~)200周年に向けて順調に修復工事がが進んでいることが判ります。いつか機会があれば、補修後の雄姿を見に行きたいと思います。

USS Constitution Jan 2011

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USS Constitution 1797 (その9、バース・デッキ)

USS Constitution 2009 Berth Deck

バース・デッキ(Berth Deck)に降りると、急に天井が低くなり頭上が気になります。上の写真のように、バース・デッキにはハンモックが吊るしてありました。士官以外の水兵、海兵隊の合計400名程がここで生活していたと考えると、超大型フリゲート艦とはいえ、決してスペースに余裕がある訳ではないと思います。

USS Constitution 2009 Berth Deck フレーム

現代のバース・デッキは電気照明で照らされていますが、当時は上の写真の右上にある、換気口というか、明り取り(?)だけで薄暗かったのではないでしょうか。艦舷からみると、ガンデッキの下に丸い明り取りが並んでいるのがわかります。ところが、この明り取りは、1797年、1795年、更に1812年の図面にもなく、初めて図面に描かれるのが1927年の修復時ですので、もしかしたら20世紀になってから追加された設備かもしれません。手元にある、1857年に撮影されたとされる修理中の写真にはこの丸い明り取りはありませんが、1931年に撮影された写真では判別できます。因みに、バース・デッキの床はちょうど喫水線と同じレベルにあります。様々な種類の梁(Knee)の形状も面白いですね。

USS Constitution 2009 Berth Deck 換気口

2008年夏、2009年夏と2年連続でコンスティテューションを訪れましたが、バース・デッキの後方にある、士官居住区(Wardroom)と船倉(Orlop)は見学できませんでした。下の写真はWardroomの入り口を撮影したものです。

USS Constitution 2009 Berth Deck Wardroom

バース・デッキにいると息が詰まりそうです。ガン・デッキを通り過ぎ、外気に当たれるスパー・デッキに駆け上がりました。下の写真はバース・デッキの階段を撮影したものです。踏み板に滑り止めが取り付けられていますが、これも当時は無かったと思います。手摺のロープの処理が面白いですね。

USS Constitution 2009 Berth Deck 階段

また写真が増えてしまいました。次は修理中のスパーデッキの写真を中心に紹介します。

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USS Constitution 1797 (その8、ガンデッキ後編)

USS Constitution 2009 Gun Deck Captains cabin

ガンデッキの後方は、艦長居住区(Captain's Cabin)になっています。2重の隔壁となっており、先ずは上の写真の通りにGreat Cabinがあります。その奥は、艦尾窓に繋がる艦長の私的空間で、過去の記事で紹介したように、艦尾窓の両脇は寝室となっております。2008年の訪問時の印象を「艦長執務室は、両端の隔壁により窓3つ分の幅しかなく、その窓も鎧戸に開けられた小さな丸い明り取りから光が入るだけで薄暗く、快適とは云えない部屋でした」と記しましたが、実は改装中で塞がっていた天井の明り取り設備(Skylight)から光が入るのですね。公式案内(動画)の説明が判りやすいと思います。

USS Constitution 2009 グレーティングと砲弾

さて、Great Cabinのドアを出ると、グレーティング(格子)の外枠に砲弾が置いてありました。良く見ると大きさが違うので、24ポンド砲弾だけではないと思いますが。さらに海洋小説でお馴染み(?)の葡萄弾(Grape Shot、左の透明ケースの中)、棒付き弾(Bar Shot)等の各種砲弾が展示されています。砲弾は想像したより小さい気がしました。24ポンドの砲弾は、重さが11kg程度、直径は13.82cmです。海洋小説を読んでいると、なにかボーリング玉のような大きさの弾丸が飛んでくる様子を想像してしまいますが(僕だけかもしれませんが)、24ポンドでこの大きさでしたら、オーブリー艦長の最初の乗艦であるソフィー号(HMS Sophie)の4ポンド砲の弾丸は文字通り豆鉄砲ですね。

USS Constitution 2009 Gun Deck 砲弾の種類

最後のガンデッキで撮影した極めつけのオタク写真を2点。これは何でしょうか。

USS Constitution 2009 砲口掃除道具

上の2つは、木製の柄をつけて砲膣を掃除する道具です。冒頭の写真の中央上部にあるように各砲に備え付けられています。下の写真はこれも冒頭の写真にも写っていますが、コンスティテューションの上下に開く砲門のを開閉する装置です。紐で引っ張り頭上のクリ-トに結び固定する構造です。流石にここまで模型で再現することはないでしょうが。

USS Constitution 2009 砲門開閉装置

さて次の記事では、バースデッキ(Berth Deck)に行き、最後にスパーデッキ(Spar Deck)を改めて見学します。

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USS Constitution 1797 (その7、ガンデッキ前編)

USS Constitution 2009 ガンデッキ前方

ガンデッキの前方を撮影した写真です。さすがにコンスティテューションは超大型フリゲート艦であることからも、ガンデッキを歩いていて頭上が気になることもありません。右の白い円形の柱はフォアマストです。下の写真はギャレー(厨房)です。銅製のスタック(煙突)が上方に見えます。

これから紹介する写真は、模型作りと海洋小説を意識した視点から撮影したものですので、各部の詳細写真が殆どになります。

USS Constitution 2009 ギャレー

ガンデッキの後方にキャプスタンがあります。このキャプスタンはスパーデッキ(Spar Deck)のキャプスタンと連結されています。現在は両側に構造物(階段も)が設置されていますので、ガンデッキでキャプスタンバーを嵌め込み廻すことは出来ませんが、とにかく巨大な姿です。キャプスタンバーを差し込む場所は真鍮で補強されています。

USS Constitution 2009 キャプスタン

次はガンデッキのビルジポンプの写真です。4連ポンプの構造です。帆船模型のキットでもビルジポンプは再現されますが、殆ど甲板に置いてある程度ですので、ポンプの全体構造が不明瞭です。このガンデッキのビルジポンプは、下の写真のようにバースデッキ(Berth Deck)に接続されています。4本の黒い管が、さらにオーロップ(船倉)に繋がり、船底に至ります。銅製と思われるポンプ上部は丹念に磨かれていて綺麗です。といいながら、構造上ガンデッキに汚水が排出される仕組みです。ガンデッキに流れ出た汚水の処理はどうなっているのでしょうか。艦舷の排水口は確認しませんでしたが、今更になって気になります。

USS Constitution 2009 ビルジポンプ

USS Constitution 2009 ビルジポンプ Berth Deck

写真が増えてきてしまったので、この記事はガンデッキ前編として、次の記事でもガンデッキで撮影した残りの写真を紹介したいと思います。

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USS Constitution 1797(その6、24ポンド長砲について)

USS Constitution gunport (outside)

この記事では、コンスティテューションのガンデッキに並ぶ24ポンドのキャノン砲を見ていきます。

以前の記事で1797年の建造時の状況について簡単に記載しましたが、この時代の主力のフリゲート艦は12ポンドから18ポンド長砲をガンデッキに搭載するのが一般的でしたので、24ポンド砲の砲列を有するコンスティテューションはまさに無敵の存在でした。

模型でキャノン砲を再現する際の参考として、この24ポンド・キャノン砲の詳細を撮影しましたので、その一部を記載します。以前紹介した1854年に建造されたコンステレーションの備砲は再現されたものと思われますが、アメリカ海軍の現役艦であるコンスティテューションのキャノン砲は、建造当時とは異なると思いますが本物だと思われます。

USS Constitution 24pdr cannon

上の写真は、ガンデッキを撮影したものですが、片舷に15門の砲門が並びます。タックル(Gun Tackle)とかブリーチング(Breeching)の取廻しがよく判ると思います。

偶々、砲身が外されていたキャリッジ(Gun Carriage)がありましたので撮影してみました。キットでは一体形となっていることが多いのですが、これを再現しようとすると大変そうです。縮尺の大きい模型であればチャレンジしたいと思いますが。

USS Constitution 24pdr carrage

USS Constitution 24pdr ropes

2009年7月にコンスティテューションを訪問した時、巻尺を持参しました(金属の巻き取り式ではなく、ナイロン製)。案内している水兵の愛国的な説明はあまり聞かないで、コンスティテューションの各部を実測してみました。24ポンド砲のキャリッジの寸法は、全長が158cm、幅は前方が75cm、後方が82cm、高さは前方が63cm(車輪含まず)、後方が50cm(車輪含まず)、車輪の直径は前方が47cm、後方が42cm、等々。

艦上にいる水兵達は、せっせと測定してメモをしている僕を訝しい目で見ており、「なにをやっているの?」と声を掛けられました。「実は私は日本のスパイである」とか、なにか冗談を言ってみようと思いましたが、コンスティテューションはアメリカ海軍で就役している現役の軍艦で、水兵もアメリカ海軍の軍人であることを思い出し、「自分は帆船模型のモデラーで、今、世界で一番精緻なコンスティテューションの模型を作ろうと計画している」と素直に説明したところ、皆笑顔になり、砲門の長さの測定とかを手伝ってくれました。

さて次の記事でもコンスティテューションの各部を撮影したマニアックな写真を続けて紹介したいと思います。

コンスティテューションの模型、或いは18から19世紀のフリゲート艦の模型を作っていられる方がいれば、詳細撮影した画像をお送りすることもできますので、コメント欄(非公開もあります)からご連絡下さい。下のコメントの欄をクリックすると、コメントの投稿の画面になります。

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