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STV SEDOV 1921 (バーク型帆走練習船セドフ) その1

Sedov 5 Bow

STV Sedovは、4本マストの現役帆船の中で世界一の大きさを誇っています。2000年に5本マストのフルリグド・シップ型クルーズ帆船のRoyal Clipperが建造されるまでは、約80年間に亘りセドフは世界最大の現役の帆船でした。

ところで世界第2位の4本マストの帆船はKruzenshternですが、セドフのサイズは全長385.6ft(117.5m)、船幅48.1ft(14.7m)、総排水量6,148トンと、クルゼンシュテルン(全長376ft、船幅46ft)より僅かに上回っています。

Sedov 1

この帆船はドイツのブレーメンを本拠とするF.A.Vinnen & CoがキールのFriedrich Krupp Germaniawerft造船所に発注し1921年に竣工しました。当時の船名はMagdalene Vinnen IIでした。当時は内燃機関を持たない純粋な帆船が多い中で、この帆船は建造時からスクリューが装着されていたのが特徴だそうです。

冒頭の写真を拡大すると、従来のムルマンスクの紋章が組み込まれたフィギュアヘッドが取り外されているのが判ります。SEDOVは、2017年5月にムルマンスク国立工科大学(Murmansk State Technical University)からカリーニングラード国立工科大学(Kaliningrad State Technical University)に所属が変更になっていることが理由と思われます。船尾を見るとしっかりロシア語でКалининград(Kaliningrad)と母港が表記されていました。

Sedov 3

僕のSEDOVのイメージは白い船体で、同じくカリーニングラードを拠点とする砲門が描かれた黒色の船体のクルゼンシュテルンと好対照のイメージでしたが、2005年にドイツ映画 "Der Untergang der Pamir"("Lost of Pamir")に出演した際にFlying P-Linersの伝統に従いブラックの船体に塗り替えられたそうです。マストも鮮やかな橙色に塗られています。

Sedov Main Mast

さて次は船上に上がります。

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LOA 1922 (バーケンティン型帆船 LOA)

LOA POS

LOAはデンマークのAalborgを母港にするバーケンティン型(Barquentine)帆船です。元々はスクーナー型の艤装で同じデンマークのSvendborgで1922年に建造されました。建造時の船名はアフロディア(Aphrodite)で美しい名前の木造船でした。船体はオーク材で造られていたそうです。1952年にLOAと改名され1972 年までは輸送帆船として長い期間活躍、その後個人オーナーを経て、2003年にTall Ship Aalborg Foundationに寄付されました。

LOA from Stern

この帆船のホームページは、一部を除きデンマーク語ですし限られた情報しかありませんが、2004年〜2009年に大掛かりな改修が行われ、艤装もバーケンティンとなったそうです。

クラスAの木造バーケンティン型帆船で興味があったのですが、この帆船もタイミングが合わず見学が出来ませんでした。全長131ft(40m)、船体長100ft(30.5m)、船幅20.7ft(6.3m)、95Gross Tonと、長いバウスプリットを持ったスマートなクリッパー型の帆船です。ドルフィン・ストライカーはネプチューンの銛のデザインです。建造時のアフロディアの名前の方がしっくりきます。

LOA Bow

鋼鉄船からの改造ではなく、元々3本マストの帆船として建造されていますので、本当にバランスが良く美しい船です。下の写真を拡大するとシュラウド(Shrouds)を固定する長いチェーンプレート(Chainplates)の形状が良く解ります。

LOA Stern

ブルーに塗装された船体、木製のマスト、ヤード、ブームとクラシカルな姿ですね。今回Tall Ships Stavanger 2018に参加していたAクラスの木製の帆船は17世紀のフリゲート艦のレプリカShtandartとこのLOAの2隻だけでした。Shtandartの奥に停泊していたので、スタヴァンゲルの港でLOAはあまり目立っていませんでしたが。

LOA in POS bow

展帆せずともとても美しい姿です。写真を拡大すると、キャットヘッドのデザインがデンマークの国旗をモチーフにしていたりと粋な感じです。

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Bark Europa 1911 (バーク型帆船 エウロペ) その2

EUROPA POS 1

Europaをこの角度で撮影すると寸詰まりの帆船のイメージですが、スタンスルを張った姿は見事です。

スタンスル・ブーム(Studding Sail Boom)の先端をズームアップしてみると、アウター・ブーム・アイロン(Outer Boom Iron)の形状がよく解りました。帆船模型が常に脳裏にありますが、いつかスタンスルを張るようなクリッパー型帆船作製に行き着くことが出来るのでしょうか。

Europa Stansail Yard

と、気になって手元にあるUSS Constitutionの帆船模型キットと図面集をみたら、しっかりスタンスルの図解がありました。帆船模型作製は長く休止していますが、そろそろ再開したいと思います。

Europe Parade of Sail-1

スタヴァンゲルでも殆どの大型帆船がセイルを揚げないでパレードをしている中でEuropaはしっかり展帆していました。この帆船が建造されたのは1911年ですので、2017年夏にニューヨークからハンブルグに里帰りしたPekingと同じ歳ですね。既に船歴100年ですが、これからも益々活躍しそうです。

Europa POS 1 rear

現在の位置をみると南米ウルグアイの首都Montevideo付近です。安全な航海をお祈りします。

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Bark Europa 1911 (バーク型帆船 エウロペ) その1

Europa Berthing

この帆船に出会ったのは2009年のハリファックス以来です。冒頭の写真は2018年7月26日にStavangerの港に接岸、というかFryderyk Chopinに横付けする場面です。

Europa in between jpg

ハリファックスに続き今回も公開時間が予定に合わず、この帆船の船上を見学することが出来ませんでした。上の写真のようにフレデリック・ショパンとKapitan Borchardtの2艘のポーランド船に挟まれておりじっくりと見学することが叶わずに残念でした。

Europa Figurehead

停泊する帆船の合間からフィギュアヘッドを撮影してみましたが何か違和感を感じます。後で2009年に撮影した下の写真を確認したところ船首部分に装飾はありません。公式WEBの説明では以前のフィギュアヘッドを南極海を航海中に破損してしまったので、2010年3月に新しい船首像を取り付けたそうです。

このフィギュアヘッドは船名の由来であるギリシャ神話をモチーフにしており、フェニキアの王女エウロペが牡牛の姿に化けた全能の神ゼウスに誘拐されるシーンだと思われますが、牡牛像はともかく、絶世の美女であったエウロペの姿が現代的というかアニメ的であり、あまり詩的な感じではありません。ギリシャ神話と言えば、Star of Indiaの端正なエウテルペの船首像を思い起こしますが、エウロペの彫像とはまるで雰囲気が違います。

Europa 2009

さて、この船は元来エルベ川の灯船として建造されており、バーク型帆船に改造され就役したのが1995年ですが、ヤードは木製ですし、スタンスル・ヤードも装着されており正統的な帆船らしい艤装です。下の写真はフォアマストの部分ですが往年の快速帆船を彷彿させます。

Europa Masts

エウロペは全長が僅か183.7ft(56m)の小型帆船ですがとても活動的です。今年11月から来年2月に掛けて南極への航海を3回予定しているそうです。

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Fryderyk Chopin 1992 (ブリッグ型帆船 フレデリック・ショパン) 


F Chopin Parade of Sail 1

船名からポーランドの帆船であることが判ります。
この近代的な帆船もPOGORIAと同様にポーランドの造船家Zygmunt Choreńにより設計されました。

Fryderyk Chopin Stern

全長181 ft (55 m)、船体長146ft(44.5m)、船幅28 ft (8.5 m)、総排水量は400トンのスマートなブリッグ型帆船です。多少サイズとスターンのデザインが異なりますが、フラッシュ・デッキの造作と船首部分がPOGORIAに似ています。帆船としての古典的な美しさは無く現代的な雰囲気ですが、細かく見ていくとラット・ラインを採用していたり、ブリック型故に複雑なリギングが張り巡らされており見応えがります。

FChopin 1

スカイスル(Sky Sail)まで張れる高いマストです。バウスプリットも長く、現代に蘇ったクリッパー型ブリックですね。良く見るとメインマストが煙突(スタック)を兼ねているのが判ります。これもPOGORIAと同じ設計です。

FChopin Rigs

さてFryderyk Chopinのホームページは殆どポーラン語ですので情報が限られていますが、この帆船は3 Oceansという組織が運営しているそうです。この帆船の位置情報を見ると、バルト海、地中海、カリブ海を活動範囲にしている様子です。

FC POS Rear view

なかなか美しい後ろ姿ですが、この帆船は2010年10月29日に不運に見舞われています。
当時のニュースの通りシリー諸島沖160km程の地点で、Force 9レベルの暴風(Gale)に襲われ、マストが倒され、バウスプリットも折れてしまいました。幸運なことに47名の船員と実習生は皆無事で3日間掛けて英国のFalmouthに曳航されてきたそうです。

船長の説明に因ると予想外の突風(Freak Gust)により突然マストを持って行かれたとのことですが。マスト喪失後、残余物がスクリューに絡むリスクがあった為に船長判断で内燃機関を使用しなかったとのことですが、POGORIAと同様にメインマストの内部を貫く排気管が詰まっている恐れもあったのかも知れません。

FC Middle deck

2009年から2010年に掛けてポーランド製の近代帆船にとり試練の年でした。
2009年7月にPOGORIAがマストの腐食に起因するマスト喪失の事故を起こしております。そして、2010年2月17日にはブラジル沖でコンコルディアがこれも突風により横倒しになり沈没しています。不幸中の幸いなのは、この3つの事故全て皆無事に救出されていることです。特にFryderyk Chopinの事故後の姿から怪我人も出なかったのは大変な幸運であったと思います。

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