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Bark Europa 1911 (バーク型帆船 エウロペ 1911) その2

EUROPA POS 1

Europaをこの角度で撮影すると寸詰まりの帆船のイメージですが、スタンスルを張った姿は見事です。

スタンスル・ブーム(Studding Sail Boom)の先端をズームアップしてみると、アウター・ブーム・アイロン(Outer Boom Iron)の形状がよく解りました。帆船模型が常に脳裏にありますが、いつかスタンスルを張るようなクリッパー型帆船作製に行き着くことが出来るのでしょうか。

Europa Stansail Yard

と、気になって手元にあるUSS Constitutionの帆船模型キットと図面集をみたら、しっかりスタンスルの図解がありました。帆船模型作製は長く休止していますが、そろそろ再開したいと思います。

Europe Parade of Sail-1

スタヴァンゲルでも殆どの大型帆船がセイルを揚げないでパレードをしている中でEuropaはしっかり展帆していました。この帆船が建造されたのは1911年ですので、2017年夏にニューヨークからハンブルグに里帰りしたPekingと同じ歳ですね。既に船歴100年ですが、これからも益々活躍しそうです。

Europa POS 1 rear

現在の位置をみると南米ウルグアイの首都Montevideo付近です。安全な航海をお祈りします。

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Bark Europa 1911 (バーク型帆船 エウロペ 1911) その1

Europa Berthing

この帆船に出会ったのは2009年のハリファックス以来です。冒頭の写真は2018年7月26日にStavangerの港に接岸、というかFryderyk Chopinに横付けする場面です。

Europa in between jpg

ハリファックスに続き今回も公開時間が予定に合わず、この帆船の船上を見学することが出来ませんでした。上の写真のようにフレデリック・ショパンとKapitan Borchardtの2艘のポーランド船に挟まれておりじっくりと見学することが叶わずに残念でした。

Europa Figurehead

停泊する帆船の合間からフィギュアヘッドを撮影してみましたが何か違和感を感じます。後で2009年に撮影した下の写真を確認したところ船首部分に装飾はありません。公式WEBの説明では以前のフィギュアヘッドを南極海を航海中に破損してしまったので、2010年3月に新しい船首像を取り付けたそうです。

このフィギュアヘッドは船名の由来であるギリシャ神話をモチーフにしており、フェニキアの王女エウロペが牡牛の姿に化けた全能の神ゼウスに誘拐されるシーンだと思われますが、牡牛像はともかく、絶世の美女であったエウロペの姿が現代的というかアニメ的であり、あまり詩的な感じではありません。ギリシャ神話と言えば、Star of Indiaの端正なエウテルペの船首像を思い起こしますが、エウロペの彫像とはまるで雰囲気が違います。

Europa 2009

さて、この船は元来エルベ川の灯船として建造されており、バーク型帆船に改造され就役したのが1995年ですが、ヤードは木製ですし、スタンスル・ヤードも装着されており正統的な帆船らしい艤装です。下の写真はフォアマストの部分ですが往年の快速帆船を彷彿させます。

Europa Masts

エウロペは全長が僅か183.7ft(56m)の小型帆船ですがとても活動的です。今年11月から来年2月に掛けて南極への航海を3回予定しているそうです。

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Fryderyk Chopin 1992 (ブリッグ型帆船 フレデリック・ショパン 1992) 


F Chopin Parade of Sail 1

船名からポーランドの帆船であることが判ります。
この近代的な帆船もPOGORIAと同様にポーランドの造船家Zygmunt Choreńにより設計されました。

Fryderyk Chopin Stern

全長181 ft (55 m)、船体長146ft(44.5m)、船幅28 ft (8.5 m)、総排水量は400トンのスマートなブリッグ型帆船です。多少サイズとスターンのデザインが異なりますが、フラッシュ・デッキの造作と船首部分がPOGORIAに似ています。帆船としての古典的な美しさは無く現代的な雰囲気ですが、細かく見ていくとラット・ラインを採用していたり、ブリック型故に複雑なリギングが張り巡らされており見応えがります。

FChopin 1

スカイスル(Sky Sail)まで張れる高いマストです。バウスプリットも長く、現代に蘇ったクリッパー型ブリックですね。良く見るとメインマストが煙突(スタック)を兼ねているのが判ります。これもPOGORIAと同じ設計です。

FChopin Rigs

さてFryderyk Chopinのホームページは殆どポーラン語ですので情報が限られていますが、この帆船は3 Oceansという組織が運営しているそうです。この帆船の位置情報を見ると、バルト海、地中海、カリブ海を活動範囲にしている様子です。

FC POS Rear view

なかなか美しい後ろ姿ですが、この帆船は2010年10月29日に不運に見舞われています。
当時のニュースの通りシリー諸島沖160km程の地点で、Force 9レベルの暴風(Gale)に襲われ、マストが倒され、バウスプリットも折れてしまいました。幸運なことに47名の船員と実習生は皆無事で3日間掛けて英国のFalmouthに曳航されてきたそうです。

船長の説明に因ると予想外の突風(Freak Gust)により突然マストを持って行かれたとのことですが。マスト喪失後、残余物がスクリューに絡むリスクがあった為に船長判断で内燃機関を使用しなかったとのことですが、POGORIAと同様にメインマストの内部を貫く排気管が詰まっている恐れもあったのかも知れません。

FC Middle deck

2009年から2010年に掛けてポーランド製の近代帆船にとり試練の年でした。
2009年7月にPOGORIAがマストの腐食に起因するマスト喪失の事故を起こしております。そして、2010年2月17日にはブラジル沖でコンコルディアがこれも突風により横倒しになり沈没しています。不幸中の幸いなのは、この3つの事故全て皆無事に救出されていることです。特にFryderyk Chopinの事故後の姿から怪我人も出なかったのは大変な幸運であったと思います。

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Georg Stage 1934 (ゲオルグ・スターゲ 1934)

George Stage Drone 2

この均整の取れた美しい全装帆船は、1934年にデンマークのFrederikshavnで帆走練習船として設計・建造されました。初代のGeorg Stageが世界最古の帆走練習船として建造されたのが1882年で、この帆船は同じ名前の2隻目に当たります。因みにに初代はジョセフ・コンラッド(Jpseph Conrad)と改名されMystic Seaportで保存されています。

George Stage Drone

ドローンの高度を少し上げてみます。デッキ構造物は見事なマホガニー製で本当に美しい帆船です。上空から見ると通常スターボード側のボートダビットに吊るされているテンダーが、ポート側に浮かんでいるのが判ります。因みに、船尾に吊るされた船長用ギグは綺麗なクリンカー張りです。黒い船体に金で描かれたスターン飾りと船名も際立っていました。

Geprge Stage Gig

Georg Stageのサイズは全長177ft(54m)、船体長138ft(42m)、船幅28ft(8.4m)、281Gross Tonです。キャットヘッドにストック・アンカーが吊るされクラシカルな雰囲気です。ヘッドレイルは金の唐草模様、船首像も金色に塗られ勢を尽くした帆船の趣です。

George Stage Bow View

右舷の航海灯を見ると、これもマホガニー製の枠に真鍮のライトと完璧です。Georg Stageは今まで見てきた帆船の中で特にディティールまで高級感に溢れています。残念乍ら一般に公開されていた時間が18:00-20:00と短く船上を見学することが叶いませんでしたが、いつか機会があればじっくりと検分したいです。

George Stage Starboard Light

Georg StageはTall Ships RaceのCruise in Companyのリストにはありましたが、2018年7月29日の帆船パレードにも、Race-2にも参加していませんでしたので、洋上で撮影することは出来ませんでした。

George Stage Stern View

後ろ姿も端正ですね。いつか帆走する姿が見たいです。

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POGORIA 1980 (ポゴリア 1980)

Pogoria POS

この近代的な船型を持つ帆船は、1980年にポーランドのグタニスク造船所(Gdańsk Shipyard)で帆走練習船として建造されました。設計は、ポーランドの造船家Zygmunt Choreńです。Zygmunt Choreńは、SVS Pogoriaを皮切りに今までに20隻ほどの帆船を設計しているそうです。ポゴリアは平面的な船尾が特徴ですが、Choreńが設計した帆船は同じ様な意匠のデザインをしています。

Pogoria Stern

今回Stavengerに集まった帆船では、Fryderyk Chopin(1992)とMIR(1987)がChoreń氏により設計されグタニスクの造船所で建造されています。ポーランドは現代の帆船建造の中心的な位置を占めているのですね。

Pogoroa Departure

さて、ポゴリアはThe Sail Training Association Polandが維持運営している、3本マストのバーケンティン型の帆船で、全長153.5ft(46.8m)、船体長133ft(40.6m)、船幅26.3ft(8m)、総排水量は342トンの小型帆船です。

Pogoria bathing

今回、船上を見学することも出来ず、帆船パレードでも先頭集団だった為に撮影でしたのは冒頭の一枚だけでしたが、Stad Amsterdam船上からEENDRACHTの索具越しに見たPogoriaの姿はなかなか雰囲気がありました。

Pogoria from Stat Amsterdam

ところで、この帆船は2009年のバルト海で行われたTall Ships Raceに参加中に全マストを損傷するアクシデントに見舞われています。2009年7月7日フィンランド沖を航行中に15:55にフォアマストが折れ、次々にメインマスト、ミズンマストが折れる事故が発生しました。事故報告書に詳しく記載されていますが、原因は鋼鉄製のマストの腐食で溶接部分が突然折れたそうです。練習生もクルーも軽傷で済んだとのことで良かったですが、同じ2009年6月23日のバミューダ沖で発生したクルゼンシュテルンのフォアマストの破損事故を思い起こしました。尤もクルゼンシュテルンの場合は突然の嵐に見舞われたそうですが。

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